相談事例

大分の方から相続に関するご相談

2022年07月01日

Q:不動産しかない相続財産を2人で分ける方法について、司法書士の先生に教えていただきたいです。(大分)

司法書士の先生、相続のことでご相談があります。
大分で一人暮らしをしていた父が先日亡くなり、私と弟の2人で父の財産を相続することになりました。父には一人暮らしをしていた大分の実家のほかに大分から離れた場所に建つアパートが一棟あったのですが、どのように分ければ良いのかで悩んでいます。

母が亡くなってから父の世話は近くに住む私がしていましたし、家族の思い出が詰まった大分の実家だけは何があっても売却したくありません。相続財産が不動産しかない場合の分割方法について教えていただけると助かります。(大分) 

A:相続財産が不動産のみの場合でも、お2人で分割することは可能です。

相続財産が不動産のみの場合における分割方法をお伝えする前に、まずはお父様の遺言書の有無を確認してみましょう。相続において遺言書の内容は何よりも優先されるものですので、遺言書があればその内容に沿って相続するだけで問題ありません。
大分のご実家を捜索した結果、遺言書が見つからなかった場合は、お父様の財産をどのように分割するかを相続人全員で話し合う「遺産分割協議」を行う必要があります。
今回のケースでは容易に分割できない不動産のみが相続財産とのことですので、分割する方法としては以下の3つが挙げられます。

  • 不動産そのものを分割する「現物分割」
  • 単独で相続し、他の相続人に代償金を支払う「代償分割」
  • 不動産を売却・現金化して分割する「換価分割」

不動産評価額が同一でないことから不満が出る可能性もありますが、ご相談者様と弟様が納得できるようであれば「現物分割」がもっとも簡単な分割方法だといえるでしょう。
たとえば、大分のご実家は近くに住むご相談者様が、大分から離れた場所に建つアパートは弟様が相続するという形です。そうすれば相続財産を分割するにあたり、大分のご実家を売却せずに済みます。

相続人のどなたかが相続財産となる不動産に居住しているのであれば、単独で相続してその分の代償金を他の相続人に支払う「代償分割」も有効な方法だといえるでしょう。
しかしながらこの方法ですと単独で相続する方に代償金を支払う資金が必要となるため、金銭的な負担が大きく圧し掛かることになります。
いずれの方法を選択するにせよ、弟様と話し合う前にまずは大分のご実家とアパート一棟の価値について調査されることをおすすめいたします。

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