大分の方より相続についてのご相談
2020年10月26日
Q:亡くなった母の遺産を相続したあと、借金があることが分かりました。一度相続をしてしまった遺産を相続放棄することはできるのか、司法書士の先生にお伺いしたいです。(大分)
現在私は婚約者と大分に住んでいます。父は3年前に他界し、その後大分で1人暮らしていた母も2か月前に持病で亡くなってしまいました。母の自宅には今後誰かが居住する予定もなく、不動産管理上の問題が発生すると思ったので一人娘である私が大分の実家の売却手続きをし、売却金を受け取りました。しかしその後、母に多額の借金があることが判明したのです。すぐに借金の金額を確認したところ、返済できるような額ではないことがわかりました。突然のことで驚いているのですが、私が結婚を控えていることもあり、相続放棄をしたいと考えています。今からでも相続放棄することは可能でしょうか?(大分)
A: 相続放棄が出来る期間は原則「相続の発生を知った日から3か月以内」と定められており、一度相続をした後に相続放棄することは出来ないとされています。
ご相談者様は、相続における「単純承認」という言葉はご存知でしょうか。民法の第921条に定める単純承認事由に当てはまりますと、相続したとみなされ、相続放棄の手続きは不可能となってしまいます。お母様が亡くなられ、遺産相続をした後に借金の存在を知ったとしても相続人が相続財産を売却したり、相続財産の全部、又は一部の処分をしたりした場合には、単純承認をしたという扱いになります。ですので、今回の場合、相続人であるご相談者様が相続財産の一部である不動産を処分したことにより、借金を筆頭としたマイナスの財産も含めてすべてを承継する相続をしたとみなされるのです。
また、単純承認をしなくとも相続が発生したことを知った日から3ヶ月の「熟慮期間」が経過してしまうと単純承認と同一の扱いになります。そしてそれ以降は相続放棄や限定承認は出来なくなってしまいます。「限定承認」又は「相続の放棄」を希望する場合は期限までに手続きを行いましょう。
今回のように、相続人が認知していないところで被相続人が借金を抱えているようなケースも少なくありません。後に後悔することが無いよう、ご自身が相続人となった際は、専門家に相談してしっかりと財産調査をしてから、どの相続方法で相続するのかを決定しましょう。
大分相続遺言相談センターでは、お客様のお悩みを解決すべく、相続の専門家である司法書士がご相談を承っております。大分周辺にお住まいの皆様、相続放棄をはじめとする相続関連のお悩みはもちろん、不動産登記や遺言書についてもサポートさせていただいております。初回は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。